台所や洗面所、浴室、トイレから汚水が逆流したら、まず家中の水の使用を止め、人やペットを近づけないでください。原因は排水口付近の詰まりだけでなく、宅内の共通配管、集合住宅の共用管、公共下水道、浄化槽にある場合もあります。この記事では、発生範囲から連絡先を切り分ける方法と、安全な応急対応を解説します。
無理に原因箇所を特定・解消しようとすると、被害の拡大やけがにつながることがあります。
宅内の排水管の詰まり油汚れ・異物の蓄積など屋外側の詰まり・水位上昇排水管のたわみ・勾配不良目次
01排水口から汚水が逆流する仕組み
排水口より先で流れが妨げられると、行き場を失った排水が、低い位置や抵抗の少ない別の排水口へ戻ることがあります。台所で水を流したときに浴室や洗面所で水位が上がる場合は、それらが合流した先の配管が詰まっている可能性があります。逆流した場所だけで原因箇所を断定はできないため、どの水を使ったときに、どこで変化が起きるかを確認することが重要です。
02よくある原因と確認ポイント
原因は付着物による詰まりだけではありません。発生場所、建物の種類、天候、過去の修理歴を合わせて判断します。
- 台所系統: 油脂や食品くず、ぬめりの蓄積
- 洗面・浴室系統: 髪の毛、石けんかす、異物の絡まり
- トイレ系統: 大量の紙、流せないウェットティッシュ、生理用品などの異物
- 屋外配管・排水桝: 汚泥の堆積、継手や亀裂からの木の根の侵入
- 配管そのもの: 破損、たわみ、勾配不良、寒冷地での凍結による閉塞
- 建物の外側: 豪雨時の公共下水道の水位上昇、浄化槽の満水や設備異常
03逆流した直後に行うこと
原因を探す前に、被害と接触を広げないことを優先します。
- 蛇口、トイレ、洗濯機、食洗機など、家中の水の使用を止める
- 子どもやペットを遠ざけ、窓を開けて換気する
- 汚水がコンセントや家電の近くまで達している場合は、水に入ってブレーカーを操作せず、電気の専門窓口へ相談する
- 安全な位置から逆流箇所と被害範囲を写真に残す
- ほかの排水口の水位、ゴボゴボ音、屋外排水桝、道路のマンホール、近隣の状況を確認する
04発生範囲から原因と連絡先を切り分ける
1か所だけの軽い流れの悪さなら、その排水口付近の詰まりが候補です。複数の排水口が同時に変化する、別の場所で水を使うと低い排水口から上がる場合は、宅内の共通配管や屋外配管の閉塞が疑われます。
家で水を使っていないのに逆流が続く、道路のマンホールがあふれている、近隣でも同時に発生している、豪雨中・豪雨直後に発生した場合は、公共下水道側の影響も考えられます。賃貸住宅や集合住宅では共用管の可能性があるため、分解や業者手配の前に管理会社・大家へ連絡してください。浄化槽を使用している住宅では、保守点検業者への連絡も必要です。
05自分で対処してよい範囲
POINT
自分で確認するのは、異常が1か所だけで、流れが少し遅い程度、便や汚水が逆流しておらず、排水口付近の髪の毛など原因が目視できる場合に限ります。取り外し方法を確認できるヘアキャッチャーや、ごみ受けの清掃までにとどめるのが安全です。
汚水が出ている、複数箇所に異常がある、すでに薬剤を投入した、配管の奥が詰まっている可能性がある場合は、ラバーカップ、ワイヤー、薬剤の追加投入、無理なトラップ分解を行わないでください。薬剤が残った状態で器具を使うと飛散するおそれがあり、異なる洗浄剤を混ぜると危険です。
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06排水業者へ依頼すべきサイン
注意
次のいずれかに当てはまる場合は、家庭で解決できる範囲を超えている可能性があります。水の使用を止めたまま、排水管清掃や排水設備に対応できる業者へ相談してください。
- 複数の排水口で同時に逆流、水位上昇、ゴボゴボ音が起きている
- トイレや浴室など低い位置から便や汚水が出ている
- ほかの場所で水を使うたびに逆流する
- 屋外の排水桝が満水になっている・汚泥であふれている
- 木の根の侵入、配管破損、たわみ、勾配不良を指摘されたことがある
- 対処しても短期間で逆流を繰り返す
- 汚水が広がり、自分で安全に清掃できない
07管理会社・自治体へ連絡するケース
賃貸住宅・集合住宅では、専有部と共用部で対応主体が異なるため、まず管理会社または大家へ連絡します。上下階や隣室でも同様の症状がある場合は、共用排水管の可能性があります。
道路のマンホールから水があふれている、近隣の複数建物で同時に発生している、豪雨時に水を使っていないのに逆流する場合は、自治体の下水道担当部署へ連絡します。浄化槽住宅で、複数箇所の流れが悪い、悪臭やゴボゴボ音がある場合は、浄化槽の保守点検業者へ相談してください。
08業者が行う調査と作業
業者は、どこで水を使うとどこに変化が出るかを確認し、排水桝や掃除口から流れを調べます。必要に応じてワイヤー式清掃機、吸引・除去、高圧洗浄などを選択し、流れを回復させます。再発する場合や破損が疑われる場合は、管内カメラなどで状態を確認し、木の根の除去、部分補修、配管の修理・交換を検討します。
高圧洗浄はすべての逆流に必要な作業ではなく、破損や勾配不良を直すものでもありません。作業前に調査方法、作業範囲、追加作業が必要になる条件、費用を確認してください。排水設備の修理・改造を伴う場合は、自治体の指定する排水設備工事事業者へ相談します。
09逆流した汚水を安全に清掃する
注意
汚水には病原体が含まれる可能性があります。手袋、長靴、目の保護具を使用し、換気しながら、まず目に見える汚れを取り除きます。その後、硬い表面は使用する消毒製品の表示どおりに処理してください。塩素系製品を酸性洗剤、酢、アルコール、アンモニア系製品、ほかの洗浄剤と混ぜてはいけません。
広範囲の汚染、カーペットや断熱材など吸水性の高いものへの浸透、電気設備付近の浸水、体調に不安がある場合は無理に清掃せず、専門業者へ相談してください。清掃前後の写真と、作業・廃棄にかかった領収書は保管しておくと、管理会社や保険会社へ状況を説明しやすくなります。
10再発を防ぐための日常管理
調理油は流さず、皿や鍋の油を紙などで拭き取ってから洗います。髪の毛はヘアキャッチャーで回収し、トイレにはトイレットペーパー以外の異物を流さないことが基本です。
戸建ての排水桝は、安全に見られる範囲で、流れの悪さや過去の逆流があるときに状態を確認します。点検・清掃の頻度は配管の構造、使用状況、油脂や木の根の影響によって異なります。一律の定期高圧洗浄ではなく、逆流を繰り返す場合は原因を診断し、必要な清掃または修理を選ぶことが再発防止につながります。豪雨時の逆流対策として逆流防止弁を検討する場合は、建物条件に合うか自治体や指定工事事業者へ確認してください。
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